ステロイドの作用

アトピー,生活習慣病

ステロイドは炎症を治める強力な薬

ステロイドは症状によって5段階に分けられています

1群(最も強力):デルモベート・マイアロン・ダイアコート・ジフラールなど
2群(かなり強い):アンテベート・リンデロン・デルモゾール・マイザーなど
3群(強力):ベトネベート・リンデロン・アロミドンなど
4群(中程度):アルメタ・キンダベート・ロコイド・オイラゾンなど
5群(弱い):プレドニゾンなど

ステロイドの主な効果

  • 細胞増殖抑制作用:炎症部分の細胞増殖を抑える
  • 血管収縮作用:炎症部分の赤みを鎮める
  • 免疫抑制作用

ステロイドが痒みを消す仕組み

医療には「fight or flight」という言葉があります。

狩猟時代、野生動物にいつ襲われるかわからない。
「戦うか逃げるか」という緊迫した状態(ストレスを感じた時)のことを指します。

あなたが交通違反でお巡りさんに呼び止められた。会社で上司から注意された。ご主人(奥さん)の機嫌がなんとなく悪い。こんな時、心臓はドキドキし呼吸は荒く、恐らく血糖値も上がっているはずです。「余計な事を考えている暇はない。すぐに逃げるか闘うかの準備をしなさい」と、人によっては頭の中が真っ白でしょう。これが「fight or flight」です。


危険が目の前にある時、無駄なエネルギーを使わずいつでも逃げ出せるように体が準備します。
血液を心臓に集め、血圧・血糖を上げ緊急な細胞活動以外は停止です。
こんな時は痛みは感じません。
細胞の代謝活動は一時的に抑えられ血流が低下、免疫力も低下します。

この(ストレス)状態を作るのが「コルチゾール」と呼ばれる副腎皮質ホルモン
ストレスがかかった時コルチゾールは
「今、考えている場合ではない!とにかく逃げる準備をしろ!」
と思考活動も制限します。

身に危険を感じた時、逃げるのに必要な組織にだけ酸素や血液を送り、
当面緊急を要しない細胞へは血液量を減らす。

この作用を利用し皮膚の痛みや痒みを一時的に止めたり、免疫力を抑制するために利用されるのが
医療でいう副腎皮質ホルモン「ステロイド」「ヒドロコルチゾン」と呼ばれます。

ステロイドとは

ステロイドはその作用として免疫力、皮膚感覚、細胞の再生を一時的にストップさせ、
痛みを麻痺させ、免疫をおさえる作用があります。

炎症性の病、免疫系の病、アレルギー性の病などに広く使われ、
膠原病、ネフローゼ、関節リウマチ、重い喘息、アレルギー、めまい、耳鳴り などに用います。

ステロイドが良いか悪いかは別として
長期的に使うどの様な影響が出るのか想像してみましょう。

体(細胞)は常に「figt or flight」の状態(興奮状態)
ステロイドが塗られた皮膚細胞の増殖は抑えられ、血流は滞り、免疫力が低下。
結果、皮膚は透けるように薄くなり、免疫力の低下により新たな感染症に対抗できない。
興奮状態にあるため、精神的に落ち着かず不眠やイライラが増します。

ステロイドの代表的な副作用

いらいら感、不眠、消化不良、下痢、吐き気、食欲不振、にきび、肌荒れ、毛深くなる、頭髪の脱毛、生理不順、むくみ、血圧上昇、体重増加、脂肪の異常沈着(顔がふっくらする、肩やおなかが太る)、コレステロール値の上昇、低カリウム血症など

薬は病を治すものではなく症状を一時的に抑えるために作られています。
病を治すのはあなた自身の自然治癒力です。