その呼吸は間違っています

心理学

正しい呼吸

自律神経を整える呼吸法

体の各器官は脳の指令とは別に自律神経によって支配されています。
つまり血圧・体温・消化・代謝・水分調整(血液成分)・排尿・排便などの調整は意識的な努力を必要とせず自立的に機能することを言います。

自律神経は交感神経と副交感神経から成り立ち、
交感神経は緊張をもたらし筋肉を縮小させたり発汗を促します。
一方副交感神経緩和(リラックス)させる神経であり、消化・排泄を促します。

自律神経によって制御される心臓の動きや消化系を意識的にコントロールすることはできませんが
呼吸だけはコントロールすることはできます。
自律神経と繋がる呼吸をコントロールすることで自律神経の乱れを制御する技術が呼吸法であり、
ヨガや気功なども呼吸が基本です。

ストレスと自律神経

病気は多くストレスによる自律神経の乱れが発端となります。
ストレスによって自律神経が乱れ、制御が乱れ病気に進展します。
ストレス社会に生きる私たちは外的要因(ストレス)から病気のきっかけを貰っているわけです。

ストレスの正体

ストレスは悪いものではありません。
何かに集中する時、脳内ではドーパミンとノルアドレナリンが程よく分泌され目標を達成しようと脳が働きます。集中力を生み出すホルモンノルアドレナリンですが、課題が大きく現状の脳では対処できないと「今の私には無理かもしれない」など感じる時一転自己防衛ホルモンコルチゾールが分泌されます。このストレスホルモンが病気に進展させます。

ストレスとは脳内に対処法の記憶がないため今は対処できないが新しい経験を通して新しいものを作り上げるようとする脳の仕組みから発生するものです。

狩猟時代から続く闘いの本能

その昔、狩に出かけるのは命懸けであったに違いありません。
わずかな物音や物陰に注意しなければ狩を成功させることはでません。そのため目の前に全てを集中します。五感をフルに感じ、まだ予期せぬ事態に対応するため脳をフル回転させます。


脳は感じ取った感(六感も含め)と記憶をすり合わせ適切な行動ができるように準備します。
不安や恐怖といった感は脳内で適切な処理ができない、環境に適応するための材料不足を発する脳のシグナル新しい環境に対応するためのシグナルがストレスです。
ストレスは対処の仕方によって病気の原因となってしまいます。

3段階のストレス

1. 適度なストレス
ストレスをは恐怖心・不安・もやもや・曖昧なものに触れたときに感じ、それに対応する集中力を作ります。
適度なストレスは脳に血液を集め集中している状態を作ります。

2. 過度のストレス
意図しない過度のストレスを感じた時、
交感神経が刺激され、ストレスホルモンが誘発され緊張状態になります。
「今考えている場合でない、闘うか逃げるかの準備をしなくてはならない」と緊急事態に備えます。
血圧を上げ、血液は筋肉に送られ、緊急でないところへの血流を止め、感覚を麻痺させ、思考を停止させます(頭真っ白状態)。

3. 慢性的なストレス
曖昧さ・モヤモヤ感など思い返しを作り脳内でストレスがループする時、
コルチゾールが停滞し細胞の活動が停止、血液の停滞、代謝の抑制、思考の停止状態が継続し脳細胞が縮小します。

コルチゾールは医薬名ステロイド

緊急以外の細胞の活動を停止し、戦うか逃げるかの準備をするホルモンです。
ストレスによりコルチゾールの分泌が続くと、感覚も感情も感じなくなります。

交感神経が興奮した状態が継続し、自律神経が制御できない自律神経失調症に進展。

自立神経を呼吸で整える

呼吸を意識化することで感情やホルモン分泌をコントロール

現代人の呼吸の問題点(浅い呼吸)

ストレス社会では呼吸はストレスに対応するために浅い呼吸になる
1. 受け身的であるため外部からの刺激に感情が左右される
2. 浅い呼吸で血中酸素が不足し貧血・代謝低下の原因となる
3. 呼吸筋の力不足で内臓が下がる
4. 内臓の活動が弱く消化吸収・毒素排泄力が低下する

意識的な二つの呼吸法(実践編

1.横隔膜と内服筋を使った深い呼吸

呼吸に使われる筋肉
体育で習った深呼吸は胸を開く胸式呼吸は肺の一部にしか吸気は入りません。
腹式呼吸で使われる筋肉には横隔膜と内腹筋があり、肺全体を使い内臓の動きを活発にします。

横隔膜を使った呼吸(実践編)

1.横隔膜を下げることでお腹を膨らませ肺全体に空気を取り込む
2.お腹が十分に膨らんだら、次に胸を膨らませさらに空気を取り込む(肺の隅々まで空気を取り入れる)
3.一旦息を止めてから、細くゆっくり息を吐き切る(同時に全身の筋肉を緩めます)

ゆっくり息を吐くことで内腹筋が使われ、脂肪を燃やし内臓を支える筋肉が強くなります。
呼吸は背骨を上下させる意識を持つことで自立神経
が整いやすい

2.気を下ろす

気功でいう気のことを指しますが、意識の中心と思ってください。
普段から自分の気がどこにあるかを確認できることも大切です。

この気を体の中で上下してみます。
気(意識)を上に置く、そして気を下に下にと降ろしてみましょう。

どうでしょう?
上にある時より下にある時の方が心が落ち着くのではないでしょうか?
頭は未来を予想するため不安や恐怖を感じやすく、
体は現実を感じるため落ち着きます。

ここまで理解できましたらもう一つの呼吸法に進んでください


体のバランスが整うと結果的に免疫力が高くなります