説得の奥義(病を武器にする人々)
病を持つ人の中には、
強烈に説得してくる人と説得されたい人が混在しているように感じる。
説得する側も説得される側も
脳内ホルモンを左右し、感情や体調に強い影響を与えています。
あなたは誰を説得したいですか?・・どんな時ですか?
「お願いします。こうしてください。」「こうすべきでしょ?」「なぜしてくれないの?」
「するって言ったでしょ!」「これは決まった事だから」「してほしんだけど、、、」
何故だか人はコントロールされることを嫌い、
相手をコントロールする事を好みます。
コントロール願望
相手をコントロールして私の思い通りに行動させたい!
この願望を手にいれるためにどんな行動をとるでしょうか?
怒りという感情(情怒)
第1段階:相手に「使命感」「罪悪感」を植え付け行動を促します。
私の考えが正しい・・・「みんなもこうしているから、あなたもこうすべき!」
使命感を全面に出してダメなら、罪悪感を植え付ける。次々に決め事を作り出す。
これは最もポピュラーな戦術です。
相手を刺激してそれでも動いてくれなければ、
「怒り」の感情を使って行動を強制します。
責められた相手はストレスに塗れ、
ストレスホルモンにより頭真っ白状態に陥り
思考停止(反論も浮かばない)状態に、
さらに病の引き金を引きます。
怒りは「自分は正しく相手が間違っている」という感情から発し、
根底には否定されることを過剰恐れ、
相手はストレスから逃れるため(あなたの期待に応えるためではなく)に行動するようになります。
弱さという強い武器
赤ちゃんは暴力的に泣き叫び周りの大人を翻弄させるように
「無防備な弱さは非常に強くて権力があります」
子供は成長段階で大人をコントロールするために弱さを利用します。
運動会や試験の前の仮病もその一つです。
そのまま大人になって弱さを武器にするようになると
肉体的な弱さ、社会的な弱さを武器とし、
病気、貧しさ、不幸を武器に相手を責めたてます。
不幸自慢などは良い例です。
この武器は誰よりも不幸でなければ使えないため
自ら望んで病気になったり、不幸を招くようになり、
状態を維持するため不幸を追い求める人生を築きます。
自らの変化を拒否し相手に変化を強要
自分の知らない世界を理解するために脳は大量のエネルギーを必要とします。
自分は現状に止まり、手っ取り早く相手を説得した方が楽という心理から説得が始まります。
変化を嫌う記憶の仕組み
目の前に起きた出来事は脳内の記憶の痕跡を辿って過去の記憶と照合しながら理解します。
人はそれぞれに脳内の記憶経路が異なるため同じ出来事を見ても理解の仕方が違う理由です。
自分とは違った解釈をする相手に出会うと
お互いの記憶の痕跡にないところが理解できなく
もしくは自分と同じ考えをすると勝手に決めつけます。
相手を理解するためには記憶の外に出る必要に迫られます
人間関係の上手い人は時間と共に相手と自分の記憶とすり合わせ、
今までの自分とは違った解釈をする能力が備わっています。
しかし多くの人は自分の記憶の外に出ることによる不安や不快感に耐え切れず、
相手に記憶の外に出るよう(自分が正しいから相手に変わるよう)強要します。
自分の方が正しく相手が間違っていると決めつけ、
相手をコントロールする為のステイタスゲームを繰り広げるのです。
戦うか逃げるか(現状維持に執着)
競争(ステイタスゲーム)で相手に戦いを挑むか、
ストレスを感じたくない、感じさせたくない思いで競争軸を外れる選択もできます。
こんな人はストレスに触れるとその場から逃げるか関わらない選択です。
次第に世の中に対して無関心・無責任・無思考状態に陥り、
逃げて「ぼっち」状態に陥ります。
相手に感謝されながら説得する技術
相手を説得しようとすればストレスホルモンを誘発し、
相手も自分も苦しくなり、
苦しみから逃れようとすれば無関心の「ぼっち」に行き着きます。
喜びを追求する
”エンドルフィンをコントロールする”
発した一言で相手に感謝されたり人のために役に立った自分を見て至福の想いに浸る時があります。
この至福感は脳内ホルモン(エンドルフィン)が作り出します。
エンドルフィンはモルヒネの数倍の鎮静効果があり、
気分が高揚したり幸福感を得る作用があります。
病を癒し新しい未来(新しい関係性)を作るエネルギー源です。
エンドルフィンに注目
価値の創造という観点から見ると、
レ 左下部分:自分にとっても他者にとっても価値を見出せない状態でエンドルフィンは分泌されません。
レ 左上部分:自分にとっての新しい価値の発見があった時は高揚感があり①エンドルフィンが分泌されます。
レ 右上部分:自分にとっての新しい発見が他者にとっても新しい価値として提供できた時、
最高の幸せ感を得ることでき②エンドルフィンが分泌されます。
充実感は自分自身の価値追求が基本となり、
自分の価値発見が他者に影響を及ぼす時に最高のエンドルフィンが分泌され
自分も相手も喜んで行動できるようになります。
要するに、
自分の記憶のデータベースの更新が根底になければ他者をコントロールできない事になります。
現状の外に出る(記憶の外に出る)勇気
記憶のデーターベースを更新する時に幸福感(充足感)を得られることがご理解いただけましたか?
記憶の外に出て新しい解釈が出来るようになるとエンドルフィンが分泌され幸福感を得ることができます。
しかし、現状(記憶)の外に出ることは未知の世界に飛び出すことであり、
自分の力で記憶の外に出ることは100%不可能です。
何故なら自分では自分の内外の境界線がどこにあるのか認識できないからです。
外の世界を知るためには外の世界を知っている人の案内を受け記憶を更新し続ける必要があります。
時には不快な思いや居心地の悪さを感じるかもしれません。
しかし新しい価値観を手に入れる至福感は相手にも影響を及ぼして生きる目標ともなるでしょう。
記憶の外に出るためには自分ではない存在を必要とします。
自分とは違った存在と自分自身を見比べることでようやく記憶の外に立つことができるのです。
今回は新しい価値観を身につける案内役として一つの教材を紹介します。
心理学を学ぶ基礎として、他者に影響を与えながら自分自身を成長させる教材としてお勧めです。
確かな案内役のもとで正しい練習を積み重ねる、
正しい練習を正しい順番に行う事で正しい技術を身につけられます。
追記
資本主義社会が利用してきたコントロール願望は
一部の特権階級にのみ富を集中させ、貧富の差を広めたばかりでなく
下層階級にはストレスだけを押し付け、
何も知らない人々は与えられたものをいかに分配するかだけに競争しています。
その結果が現代のストレス社会、競争社会を生み出しました。
コントロールされた社会で、
与えられた視野の中で作られた記憶経路から一歩を踏み出し、
他者に影響を与えながら幸福感を得る”説得の奥義”の紹介です。
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